エアフィルターの種類と特徴とは?メリット・デメリットを比較して最適な選択を!

- エアフィルターの役割
- エアフィルター3種類の特徴、メリット・デメリット
- エアフィルターを選ぶときのポイント7選
「エアフィルターにはどんな種類があるの?」「それぞれのメリットやデメリットを知りたい」「用途に合った最適なフィルターを選びたい」
そう思う方もいるかもしれません。
実は、エアフィルターにはさまざまな種類があり、それぞれ特徴や性能が異なります。適切なフィルターを選ぶことで、空気の清浄度を向上させることが可能です。
この記事では、エアフィルターの種類ごとの特徴やメリット・デメリットを比較し、用途に応じた最適な選び方について詳しく解説します。
エアフィルターの役割は空気清浄度の向上
空調機とは、空間の温度、湿度、気流、清浄度を整えることで、快適な室内環境をつくる設備のことでした。
空調機の役割のうち、清浄度を担当するのが、このエアフィルターです。
エアフィルターは別名、空気ろ過器という名の通り、汚れた空気をきれいに清浄するために設置されます。
そのほとんどは、空気中のほこりや塵を取り除くために使われていますが、中には匂いや微小粒子を取り除くことができるように、作られているものもあります。

主なエアフィルター3種類を紹介!
メカニカルフィルター
メカニカルフィルターは、一般の空調機で最も多く使われているフィルターです。(体感9割以上はメカニカルフィルターです。)
繊維や多孔質の素材で構成され、空気の流れを妨げることで粒子を捕獲します。
粒子のサイズに応じて様々なタイプがあります。
いずれにせよ、繊維によって物理的に粒子を捕獲する仕組みで、目詰まりを起こすため、定期的に交換が必要です。
不織布フィルター
不織布とは合成樹脂を布状にしたものです。
細かい繊維がランダムに配置されており、これが空気中の花粉やほこり等を捕獲して、空気を清浄します。
比較的低コストで、家庭用エアコンから、オフィスビルなどの空調機にも広く採用されています。

HEPAフィルター
HEPAフィルターは、微細な粒子を捕獲できる高性能フィルターです。
病院や研究施設などの、高度な空気清浄が求められる場所で使用され、粒径が0.3μmの粒子に対して99.97%以上の粒子捕獲率をもっています。
また、粒径が0.15μmの粒子に対して、99.9995%以上の粒子捕獲率をもつフィルターをULPAフィルターといいます。
高度な空気清浄が求められる場所では、HEPAフィルターの前処理に、大きな粒子を捕獲するためのプレフィルターを設置することもあります。
これによって、フィルターの目詰まりまでの期間を延長することができます。

静電フィルター
静電フィルターは、静電気を利用して空気中の粒子を捕獲するフィルターです。
メリット・デメリットは以下の通りです。
メリット
- PM2.5や花粉、微細な粒子を効率よく除去することができる
- フィルターの交換頻度を減らすことができる(洗浄可能タイプに限る)
- 空気抵抗が少なく、省エネルギー
デメリット
- 高湿度環境では性能が低下する
- 油分や粘着性のある粒子が多い環境(キッチン等)には不向き
- 消費電力が増加する

静電フィルターは、メカニカルフィルターに比べて圧力損失が少なく、長時間使用できる点がメリットですが、湿度や汚れの影響を受けやすいため、環境によっては性能が低下する可能性があります。
活性炭フィルター
活性炭フィルターは、空気中の臭気や有害ガスを吸着するのに適したフィルターです。たばこの煙や、ペットの臭いも軽減するため、家庭や自動車の空調システムに導入されることもあります。メリット・デメリットは以下の通りです。
メリット
- ガス(ホルムアルデヒド、ベンゼン、トルエンなど)や臭い(タバコ、ペット、料理、化学薬品の臭い)を除去することができる
- 安価で設置コストが低い
デメリット
- 高湿度環境では性能が低下する
- 定期的に交換が必要
活性炭フィルターは、臭いの吸着に優れている点が利点ですが、一度吸着した臭い成分が飽和すると交換が必要になり、メンテナンスが求められる点がデメリットとなります。
また、メカニカルフィルターなどと組み合わせることで、空気中のごみと臭気の両方を取り除く、空気清浄が可能となります。
エアフィルターを選ぶ時のポイント7選
ここまで様々なエアフィルターの種類を紹介していきました。全ては紹介できませんが、フィルターごとにメリット・デメリットがあることが、おわかりいただけたと思います。
そこで、実際にエアフィルターを選定するときに、どのようなことに気を付ければよいのかを下にまとめました。
- 空気中から何を取り除きたいのか(ほこりや塵、ガス、臭気)
- フィルタに入ってくる粒子の大きさ、濃度はどのくらいだと予想されるか
- フィルタで捕らえられず、室内に流出する粒子の許容範囲
- フィルタの使用期間はどのぐらいを想定しているか
- 使い始めのフィルタの空気抵抗と、使用後の最終空気抵抗はどのくらいか
- フィルタの大きさ、重量
- 保守をするために必要なスペース
特に⑤のフィルターの最終空気抵抗は、ファンの選定にも影響してくる、大切な検討事項です。
空調機の稼働時間とともに、フィルターの空気抵抗は増加していきます。
空気抵抗の増加にしたがって、ファンは風量を増加する必要があります。
つまりファンは、増加した空気抵抗を考慮して、どのくらいの風量を送ることができればいいのかを、逆算しなければならないということです。