エアハンドリングユニット、ファンコイルユニット、パッケージエアコンの構成、メリットやデメリットを紹介

空調機は送風機、冷却器、加熱器、加湿器、エアフィルタ等を一体に製作したもの

空調機(空気調和機)とは、温度、湿度、空気清浄度、気流をコントロールし、快適な環境を生み出すための設備です。

空調機というと、ビル、病院、工場などの大空間の空調に適した、エアハンドリングユニットのことを一般的には指します。しかし、後述するファンコイルユニットやパッケージエアコンも空調機の一種です。

この記事ではそれぞれの空気調和機の構成、メリットやデメリットを解説します。

エアハンドリングユニット(AHU：Air Handling Unit)

エアハンドリングユニットは以下の機器で構成されています。

• エアフィルタ
• 冷却コイル、加熱コイル
• 加湿器
• 送風機

エアフィルタは別名、空気ろ過器という名のとおり、空気流の塵埃を取り除き、きれいにするするものです。そのエアフィルタにも様々な種類があります。

きれいにした空気を、次は冷却コイルと加熱コイルで温度調節します。これらは管の中に冷水や温水を流したものをたくさん並べ、その中を空気が通ることで、空気を温めたり、冷やしたりすることができる機器です。モーターバルブ(MV)の開度を調整することで、コイルへの水量を増減させ、空気が適切な温度になるようにしています。

そして湿度が低い場合には加湿器で空気を加湿します。同じ加湿器でも、水気化式、蒸気式、電熱式、水噴霧式など様々な加湿方式があります。

最後に送風機(ファン)で調えられた空気を室内へと送り届けます。この送風機にも、遠心送風機、軸流送風機、斜流送風機、横流送風機などがあり、様々な用途によって使い分けられています。

ファンコイルユニット(FCU：Fan Coil Unit)

ファンコイルユニットは、上記のエアハンドリングユニットの子供ともいえるものです。簡単なエアフィルタ、冷温水コイル、送風機を1つのケージングに収めたものです。ファンコイルユニットには以下のような特徴があります。

• 個別空調が可能
• 温度調節が容易
• ペリメータゾーンの負荷処理に用いることができる
• 病院、ホテル、学校など、部屋の多い施設に用いられる

ファンコイルユニットには様々な場所に取り付けることが可能なように、多様な形態があります。

• 天井埋込型

• 床置型

• 天井吊型

• 4方向カセット型

出展元：新晃工業株式会社

パッケージエアコン(PAC：Package Air Conditioner)

パッケージ型空気調和機、またの名をパッケージエアコンといいます。家庭にある「エアコン」を業務用に高機能にしたものが、このパッケージエアコンのことです。冷媒の冷凍サイクルを利用し、室内を空調します。パッケージエアコンには次のような特徴があります。

• 施工が簡単で設備費が安い
• 完全な個別制御が可能
• ダクトや機械室などのスペースが小さくなる(またはいらない)
• エネルギー消費効率(COP：Conefficient Of Performance)が高い

パッケージエアコンは室内機と室外機がセットになったタイプと、別々に別れているタイプがあります。ファンコイルユニットと同様に、カセット型、天井吊型、壁掛型、床置型など、様々な形態があります。

計装マスター

計装エンジニア

空調計装メーカーに勤務しているエンジニア。 ニッチな業界かつ専門性の高さにより、ネット上にもほとんど知りたい情報がない、といった体験から、計装について知りたい人に向けて本ブログをはじめました。