G-NSJTRMHH78 空調機に用いられる加湿器の種類と仕組み|メリット・デメリットを詳しく解説|計装マスター
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空調機に用いられる加湿器の種類と仕組み|メリット・デメリットを詳しく解説

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この記事でわかること
  • 加湿器の種類、仕組み
  • 加湿器のメリット・デメリット

空調機に組み込まれる加湿器は、室内の湿度を適切に調整し、快適な環境を維持するために不可欠な存在です。
特に、冬場の乾燥や静電気の発生を防ぐために重要な役割を果たします。
加湿器が空調機に組み込まれることで、加湿と空調の一体管理が可能となり、効率的な湿度制御が実現します。
加湿の方式にはさまざまな種類があり、それぞれの特徴が空調環境に与える影響も異なります。
この記事では、空調機用加湿器の種類と特徴について詳しく解説します。

空調機用加湿器の主な種類と特徴

蒸気式(電極式、蒸気スプレー)

蒸気式は、水を100℃以上の蒸気にする方式の加湿器です。
水を入れたヤカンを沸騰させて、その蒸気で部屋を加湿する方法と同じです。

メリット

  • 加湿による温度降下がない
  • 制御弁による比例制御が可能なため、制御性と応答性に優れる
  • 高湿度設定が可能

デメリット

  • ボイラーや熱源機で蒸気をつくる必要がある
  • 高温高圧の蒸気を扱うため、安全性にリスクがある

気化式(滴下新党気化式、透湿膜式)

気化式は、水を含んだフィルターに空気を通過させることで、気化した水分を放出する仕組みです。
乾燥した部屋の中に、濡れたタオルを干すことで、部屋を加湿する方法と同じです。

メリット

  • 水を加熱したり、蒸気にしないため、省エネルギーかつ安全性が高い
  • 水と加湿ユニットのみで実装できるため、導入ハードルが低い

デメリット

  • 水が気化する際に温度が低下するため、温度管理に注意が必要
  • 加湿モジュールは汚れにより定期的に交換が必要
  • 水に濡れたフィルターを放置すると、雑菌繁殖の原因となるため、
    フィルターが乾燥するまで空調機の稼働を続ける残留運転が必要

水噴霧式(超音波式、高圧スプレー式、遠心式)

水噴霧式は、水を微細なミスト状にし、直接空気中に放出する方式です。
市販で売られている室内加湿器のほとんどが、この水噴霧式加湿器です。

メリット

  • 粒子が非常に細かいため、効率的な加湿が可能
  • 気化式と異なり、残留運転が不要

デメリット

  • 水を蒸気にするため、電力消費が比較的大きい
  • 蒸気が気化する際に温度が低下する

まとめ|最適な加湿器を選んで快適な空調環境を

空調機に組み込まれる加湿器には、蒸気式、気化式、超音波式などさまざまな種類があり、それぞれの特徴を理解した上で、用途に応じた選択を行うことが重要です。
また、適切なメンテナンスを継続することで、加湿器の性能を最大限に活かし、長期間にわたって快適な空調環境を維持することができます。
自身の施設や用途に最適な加湿器を選び、より良い空調環境を実現しましょう。

ABOUT ME
計装マスター
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計装エンジニア
空調計装メーカーに勤務しているエンジニア。 ニッチな業界かつ専門性の高さにより、ネット上にもほとんど知りたい情報がない、といった体験から、計装について知りたい人に向けて本ブログをはじめました。
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