ビル管理システムの主要機能と特徴をわかりやすく解説！

この記事では、ビル管理システムの主要な機能や種類ごとの特徴を初心者の方にもわかりやすく解説します。また、選定時に押さえるべきポイントや導入後のメリットについても詳しくご紹介します。

ビル管理システムとは？基本概要と導入の目的

ビル管理システム（BMS: Building Management System）は、建物内の設備や環境を効率的に管理するためのシステムです。
空調、照明、防犯設備、エレベーター、エネルギー使用量など、さまざまな設備を一元管理し、運用効率の向上やコスト削減、安全性の強化を図ることができます。
特に、ビルの規模が大きくなるほど、管理の複雑性が増し、人的ミスのリスクも高まります。
そこで、ビル管理システムを導入することで、設備の最適な運用を実現し、トラブルの未然防止や迅速な対応が可能になります。

導入の目的としては、エネルギー消費量の削減、快適な環境の維持、設備保守の効率化、安全性の確保などが挙げられます。
近年では、ビルの省エネ化やSDGsへの取り組みの一環として、BMSの導入がますます注目されています。

ビル管理システムの主要機能

ビル管理システムには、建物の運営を円滑に進めるための多様な機能があります。
以下の図のような設備を主に管理しています。

ビル管理システムの種類と特徴

ビル管理システムには、ビルの規模や用途に応じたさまざまな種類があります。
大きく分けると、中央集約型と分散型の2種類があります。

中央集約型システム

中央集約型は、ビル全体の設備を一元的に制御するシステムで、大規模ビルや商業施設に適しています。
管理者は中央監視室から全設備の状況をモニタリングでき、迅速な対応が可能です。

分散型システム

分散型は、各設備ごとに個別の管理が可能なシステムで、中小規模のビルや特定のエリア管理に適しています。
柔軟な運用ができ、部分的な設備改修やアップグレードが容易です。

クラウド型システム

近年ではクラウド型のビル管理システムも普及しており、インターネット経由で遠隔管理が可能です。
これにより、複数のビルを一括で管理したり、緊急時には迅速な対応ができるメリットがあります。
また、導入コストを抑えやすく、最新のセキュリティ対策を適用できる利点もあります。

まとめ

ビル管理システムは、建物の効率的な運用と安全性向上に欠かせないツールです。
しかし、ビルの規模や用途に応じた最適なシステムを選定し、適切な運用を行うことが成果を最大化する鍵となります。

近年、ビルの省エネ化やSDGsへの取り組みの一環として、ビル管理システムの需要は増加してきています。
この需要に効率的に対応するために、AIやクラウドを用いたシステムも徐々に登場しきており、私たち技術者にも同様に、それらに対応する技術力が求められるようになっています。

計装マスター

計装エンジニア

空調計装メーカーに勤務しているエンジニア。 ニッチな業界かつ専門性の高さにより、ネット上にもほとんど知りたい情報がない、といった体験から、計装について知りたい人に向けて本ブログをはじめました。